2012年07月09日
中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識
お世話になります。Officeパートナー代表の渡辺です。
金融円滑化法が終了を迎える25年3月まで あと9か月となりました。
すでに円滑化法を活用している企業は 円滑化法を活用した効果を実績として出していかなければならない時期です。
まだ、円滑化法を活用していないけど会社の資金繰りは火の車で、活用等を悩んでいる企業は早々に金融機関へご相談に行かれた方がいい時期でしょう。
そのような状況の中、今日は金融庁のホームページに掲載されています「知ってナットク! 中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識(PDFファイル)」のご紹介をしたいと思います。

「知ってナットク! 中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識(PDFファイル)」
金融庁は金融機関が企業への資金供給という役割を適切に果たしているかという金融検査を行っています。金融検査は
・健全な企業に対する円滑な資金供給を行ってるか
・融資した企業の経営状況・経営実態の適切な把握に努め、金融機関の立場からの経営相談、経営指導等の支援に取り組んでいるか
・融資したお金の安全性を正確に行っているか
など、金融機関が金融仲介機能という役割を適切に果たしているのかをチェックしています。
大企業と中小零細企業とでは 資金調達には大きな違いがあります。
大企業は株式市場から株式取引を通じて広くかつたくさんの資金を調達することが出来ますが、中小零細企業は金融機関からの借入による資金調達がほとんどです。
いわば、中小零細企業の資金調達は「金融機関頼み」なのです。ですから、中小零細企業は設備資金・運転資金・攻めの戦略投資資金を調達する為に金融機関から融資を受けなければ やっていけません。
勿論 本来は本業たる事業で稼ぎだした利益を資金源泉とするのが一番いい方法ですが、損益上の利益とキャッシュフロー上の資金増加額とは一致しない(勘定合って ゼニ足らず)のが常です。
【勘定合って ゼニ足らず】に関してはFacebookページ「財務メタボ改善研究会」でも書いていますので よろしければこちらもご参考にしてください。
そして、中小零細企業にとっての生命線である「金融機関からの借入に関する金融機関とのリレーションシップ」に関しての情報は意外と周知されていません。
今回紹介します中小企業の資金調達に役立つ金融検査の知識(金融庁の資料より)PDFファイルにも金融機関との交渉において役立つ様々な情報が掲載されていますが、この冊子を見たことも読んだこともない方は多いのではないでしょうか?
また、金融庁では、「資本性借入金」の積極的な活用を金融機関にも検討するように要請をしているようですが、ほとんどの企業でメインバンクから「資本性借入金」の提案を受けた事はないでしょう。
資金調達手段が限られている中小零細企業において、借入による資金調達、資本性借入金への転換による債務超過の解消によってに新規融資の獲得は企業経営をしていく上で 知っているとトクをする情報でしょう。
これからが踏ん張り時です! 絶対に業績を回復させて企業財務体質も改善させていきましょう!
(参考)
資本性借入金とは(DDS/ Debt Debt Swap)
既存の借入金(負債)を資本金に準じた取り扱いの借入金に転換することで、自己資本比率の改善が出来て金融検査上の債務超過が解消されることになります。
資本性借入金の返済条件は
・長期間償還が不要(最終返済期限に一括返済)
・業績に応じた金利設定
・法的破綻時の回収が他の債権に劣後する
という条件です。
ただし、融資をしている金融機関側にしてみればデメリットが生じるため、資本性借入金(DDS/ Debt Debt Swap)を受けるためには
・本業の部分では営業利益が出ている
・営業キャッシュフローがプラスである
・新規融資が事業の発展や利益創出に確実に貢献する
・企業として魅力がある
・回復の実現可能性が高い
などの条件が必要となります。
2012年06月30日
事業再生士補として、財務セカンドオピニオンとして
お世話になります。Officeパートナー代表の渡辺です。
5月に受験しました「事業再生士補:経営科目と法律科目」の結果が届き、無事に合格していました。
事業再生士補(ATP)とは、事業再生を行うために基本的な企業の経営体質や財務体質などの調査や分析を行い、当該企業が事業再生可能かどうかの見極めをすることを支援していく者です。
単に調査・分析を行い書類を作る事が仕事ではなく、中小零細企業の事業再生を経営陣と一緒に実施していく実務家であり専門家でもあります。

私は現在、中小零細企業の財務会計コンサルとして社長の意志決定を支援する仕事をしていますが、様々な経営環境が変化していく今の時代、多くの中小零細企業が苦しんでいるのを見てきています。
クライアント企業の財務体質の改善や事業の方向性や戦略の舵修正などのサポートをしていますが、今後、企業経営が行き詰ってくる企業が増えてくる可能性を考えて、自分自身のスキルアップを兼ねてターンアラウンドに関する勉強に取り組んできました。
資格取得がゴールではなく、ここからがスタートです。
事業再生士補(ATP)として、中小零細企業のセカンドオピニオンとして、中小零細企業の資金繰り改善や財務体質改善、そして、事業再生、業績回復、後継者への引き継ぎなどを今まで以上に支援していきたいと思います。
・資金繰りで困っている
・自社の財務体質を強化したい
・事業戦略や方向性の模索をしたい
・後継者を育てていきたい
・停滞した組織風土を打破して活性化させたい
・幹部社員や次世代のニューリーダーを育成したい
このようなご要望をお持ちの中小零細企業の方は是非 ご一報を!
約9年間の会計事務所での財務会計の経験とコーチングやファシリテーションなどのコミュニケーション系の支援に事業再生・セカンドオピニオンとしてのサポートメニューも加わった 【 Officeパートナーの渡辺 】 を是非ご活用ください。
(参考)
・一般社団法人 日本事業再生士協会へのリンク
Q.ターンアラウンドとは何ですか?
A.アメリカのビジネス用語辞典では企業、市場、経済が大きく改善すると定義しており、日本においては一般的に、経営問題や経営トラブルから立ち直る事とビジネスやメディアでは定義しています。
Q.ターンアラウンドは経営破綻した時だけ(事業を再生するときだけ)有効なのですか?
A.確かに経営破綻した、経営破綻しそうなケースに「ターンアラウンド」という言葉が利用されます。しかし、私の考えでは事業再生の為のターンアラウンドプロセスは、事業再生時には勿論の事ですが、現事業体質や事業戦略の見直し、部門別独立採算の見直し、新規事業の立ち上げなど、企業経営の様々な場面での応用が可能だと考えております。
業績が落ち込んだ時も、業績が成長している時も「外部の客観的視点」は経営者にとっては重要な支援です。
Q.財務セカンドオピニオンって何ですか?
A.「セカンドオピニオン」とは「第二の目:第二の視点」です。元々は医療の現場で主治医やかかりつけの病院の診断をより客観的な視点で再度診断してもらうようにその他の専門的な医師や病院で診断をしてもらう事を言います。
患者としては主治医の診断内容とセカンドオピニオンの医師の診断の両方を見て、自己の判断のもとに治療を依頼する事になります。
このような考え方を企業経営、しかも財務や会計、経理などの面に応用したのが「財務セカンドオピニオン」です。顧問の税理士・顧問会計事務所はそのままに、試算表や決算書、月々の資金繰りなどの情報から「第二の客観的な視点」で中小零細企業の社長や経営陣の経営判断をする上での情報を提供するのが財務セカンドオピニオンです。
Q.財務セカンドオピニオンを依頼する場合の費用はどのくらいになりますか?
A.私の場合ですが、基本は月額31,500円からです。企業の規模や分析内容によってプラスアルファを頂く時もありますし、実際に支援という形でお手伝いさせていただくことになった場合に、金融機関との交渉の場に同席したり、取引先との交渉や話し合いの席にも同席してサポートをするような事まで引き受ける場合はオプション料金が加算されます。
とは言っても、業績が落ち込んでいる状態が長引いている時は資金繰りも苦しい状況ですので、県や国、商工会などの専門家派遣制度等の制度があれば、その制度を活用して当面のランニングコストを抑えるケースもおススメしています。
Q.どのくらいの期間 関わるのですか?
A.企業の財務体質改善、資金繰りの改善、は一朝一夕にはいきません。最短でも1年~1.5年はかかります。私の場合ですと事業再生の単年度計画と中期計画(3~5年)の作成もしますので、ガッツリと支援させてもらう時は最短でも2年は御社の経営のセカンドオピニオンとして関わらせていただきます。
ただし、途中で事情があり継続できない場合はその時で解約となりますし、事業再生プロセスで社長や幹部、後継者などのキーマン達が本気で事業再生に向き合わない、本気で変わろうとしない という事が感じられたり、そのような事態が起きた場合は、財務セカンドオピニオン契約を私から解約させていただくこともあります。
2011年01月29日
資金調達は大丈夫ですか? 23年3月末で終了 緊急保証制度
経営状況が厳しくなり、資金繰りに困っていた企業にとって救世主(?)だった
「緊急保証制度(景気対応緊急保証制度)」が
平成23年3月末で終了することを政府は決めたそうです。
緊急保証制度は、保証協会が100%の保証をしてくれる融資の為、銀行も実行しやすい融資です。この緊急保証制度のメリットは
・信用保証協会の一般枠とは別枠での融資ですので、すでに一般枠いっぱいまで借入をしている中小企業でも利用できます。
・売上や利益が過去と比較して減少していることが条件の融資ですので、減収や減益で苦しんでいる中小企業には利用しやすいです。
・保証期間が最長10年と長めに設定されているので、毎月の返済額も余裕を持って設定できます。
こんなメリットがある融資制度ですが、すでに利用している中小企業も多いでしょう。
ですが、ここでもう一度メインバンクに追加融資や借り換えの相談をしてみてはいかがでしょうか?
この緊急保証制度は「銀行がリスクを負わなくて済む融資制度」です。という事は、銀行としても融資実行はその他の融資やプロパー融資に比べて、非常に実行しやすい融資です。
景気の低迷も一段落したとも言われていますが、まだまだ先行きは不透明であり不安です。
今現在はとりあえず資金に窮していないとしても、これから年度末を向え何かと資金需要が増える可能性もありますし、新たな活動を模索して行く上でも資金調達は必要です。
確かに、融資を受ければ(借入をすれば)、返済はしなくてはなりません。今以上に返済額を増やすのは大変かもしてませんが、借り換えや一本化などをすることにより、手持ち資金を手厚くしつつ、毎月の返済額を減らすようにすることも可能です。
もう、すでに借りちゃっているよぉ~
と嘆いたあなた!
うちは決算内容が悪すぎて相手にしてくれないようぉ~
と嘆いたあなた!
実行するかどうかは、あなたが決めるのではなく、銀行や保証協会が決めることです。
申し込みしたり、相談したりするのは「タダ」ですし、相談してみないことには融資が下りるかどうかは全く分かりませんので、是非、メインバンクに相談してみてください。
メインバンクがダメなら、サブメインバンクに相談です。それでもダメならまだ取引していない金融機関に相談です。
コレを機に、相談をしてください。
2011年01月19日
ビジネスに必要な能力「EQ」 ~MSセミナーにて~
今日、朝6:00から三島倫理法人会モーニングセミナーにて
EQ(心の知能指数)を活用した職場の人間関係をよくするコミュニケーションの紹介
という講演をして来ました。
7年以上前にも一度モーニングセミナーで話をさせていただいたのですが、7年前の時は「コーチング」について話をしました。
今回、講演の話を頂いて何を話そうか?考えたのですが、会計や税金の話は税理士さんが話をしてくれるでしょうし、経営戦略やマネージメントの話は倫理法人会にご参加されています経営者の方々であれば今更聴く必要もないでしょう。
やはり、静岡県東部で「私しか話が出来ない内容」がいいだろうと思い、コミュニケーションについて講演することにしました。
そして、コミュニケーションの技術の中で、今回は「EQ(心の知能指数)」を取り上げました。
皆さんは 「EQ」って知っています? または 聞いたことありますか?
「EQ」とはEmotional Intelligence Quotient の事で、「感情:Emotional」との付き合い方です。
ビジネスをして行く上で、必要な知識・能力等には
・業務の知識(業種専門知識)
・一般常識
・経験
・状況判断
・問題解決能力
・リーダーシップ
・コミュニケーション
などあると思います。経営者や経営幹部であれば、これらの知識・能力等の他に、経営戦略やマーケティング・財務会計などの知識等も必要になるでしょう。
これらの知識・能力等のなかで、業種業態職種を問わず必要とされる知識・能力等がコミュニケーションの知識・能力等です。
私たちが生活をして行く上で、人との交流は欠かせません。
その交流がコミュニケーションであり、また、自分との交流(コミュニケーション)もとっても大事です。
「EQ」はそもそも、アメリカの実力主義社会&学歴社会での疑問から研究・調査されました。
「実力」があり「学歴」もある人は一般的にIQ(知能指数)高いでしょう。そして、きわめてIQ(知能指数)が高く、有名大学を優秀な成績で卒業した「エリート達」はビジネスの世界でも必ず成功を手に入れるでしょう。もしくは、自分の夢や目標を必ず達成し、幸せな生活を送るでしょう。
・・・・・・・ と思われていたのですが、
現実には、そうならないケースもあったのです。
きわめてIQ(知能指数)が高く、有名大学を優秀な成績で卒業した「エリート達」なのに、ビジネスの世界で芽が出なかったり、萎んでしまったり、職場の仲間と軋轢が生じたり、トラブルメーカーになってしまったりして、必ずしも幸せな人生、エリート街道まっしぐら では無いということが起きているのです。
その疑問を調査・研究した結果、IQ(知能指数)以外に共通する要素として、
ビジネスデ成功した人は「対人関係能力に極めて優れている」という事実
そして、「自分自身の感情の状態を把握し、それをうまくコントロールするだけでなく、他者の感情の状態を知覚する能力に長けている」という事実
が分かったそうです。
この「対人関係能力」や「感情のコントロール」がまさに 「EQ(心の知能指数)」です。
今日のモーニングセミナーでは、「EQ(心の知能指数)」の入門的情報と簡単なセルフチェックをしてもらいました。
もっと 時間があれば色々と情報提供できたのですが、40分間ではさわりの部分だけですね。
人は「快楽を求める」 か 「苦痛から逃げる」 かが行動の動機です。
「快楽」も「苦痛」も感情が必ず伴うから、「EQ」は大事なんです(^^)
しかも、「EQ(心の知能指数)」はどんな人でも備わっている能力で、しかも、あとからいくらでも開発・向上させることが出来る能力なんです。
是非、今日の体験や話を会社の組織風土改善に活用してください。
2010年05月18日
企業の体質改善は現状認識から
本日、「富士山中小企業支援ネットワーク専門家支援」による派遣で、南伊豆町のある企業へお邪魔をしまして、幹部社員さんを対象とした社内研修を実施してきました。
40年以上の社歴を持つ企業さんですが、昨今の外部環境の変化の影響を受けて、社長が危機感を持ち、信用金庫さんへ専門家派遣の要請をしたことにより、私に白羽の矢が立ちました。
企業(組織)は「人」という経営資源の集合体です。
企業は多くの社員個人個人が 「自分の1の力」 を出すことによって、相乗効果が生まれ、1+1が 5 にも 10 にもなります。
しかし、社長だけが危機感を持って、旗を振り、先導をしたとしても、社員が全く違う方向を見ていたら、チームとしてのパワーは収束されず、 「1+1によ相乗効果」 は生まれず、時には 「1+1=1」 であったり、 「1+1=▲5」 という事も起きてしまいます。
今回から数回に渡り、私がお邪魔することによって、自社の現状を幹部社員で共有し、会社もお客さんも自分自身も幸せになる方法を模索していき、今以上に素晴らしい企業となり、長寿企業になる為の準備と行動をサポートさせていただきます。
同じ会社で長年一緒に働いているからと言って、必ずしも 「同じ視点」 「同じ価値観」 「同じ捉え方」 をしているとは限りません。
確かに企業には 「経営理念」 とか 「経営方針」 という全社員共通の価値観はあるでしょう。しかし、現場で起きている様々な出来事、トラブル、チャンスを判断する時には、会社の理念より、自分自身の理念(価値判断)がどうしても先に自動的に反応して出てきます。
幹部社員の方々一人ひとりがどんな認識でいるのか?どんな考え方をしているのか?を知っておく事はとっても大事です。
特に、経営の体質を改善していこう・組織風土を改善していこうという時は、従業員個々が持つ判断基準のズレを修正して行く事が大切です。
修正していくには、個人個人が何を考えて、何を基準に判断しているのか?を共有していき、
「あぁ~ あの人はこういう考えで行動しているんだ」
「あぁ~ この人はこんな風に思っているんだ(感じているんだ)」
と仲間を知る事が大切です。
今回、第1回目の訪問に際して、私は幹部社員の皆さんの考え方、見方、価値基準が同じ方向を向いているのか?を確認することからはじめました。

どれも正解・不正解はありません。みなさんが 「こう思っている」 「こう感じている」 「こういう基準で判断している」 という現状(事実)です。そして、ここからスタートです。

そして、当社も200年以上続く長寿企業のようになるために、自社を知り、環境を知る事からはじめましょう!

今までと同じように考えて、同じように行動していたら、今と同じような結果しか得られません。
現状で満足なら今までと同じで良いでしょう。しかし、現状では満足できないのであれば、今まではしていなかったこと、やってこなかったことにチャレンジして行く事が必要になります。
最終的には
やる か やらないか
です。出来ない事をしましょう!と言っているのではありません。出来ることからやってきましょう。 有る事から手を付けていきましょう。
次回は6月8日です。 次回は私達会社が存在している意義を考えましょう!